クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管によるフランクの交響曲を聴いて

クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管によるフランクの交響曲(1966年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

重厚な演奏であります。それはあたかも、ドイツ音楽であるかのよう。もっとも、この作品には、元来そのような性格が備わっているとも言えるのですが。
どっしりと構えた演奏ぶりが貫かれています。ここにはまさに、梃子でも動かぬ安定感と呼びたくなるものがある。更には、クレンペラーの意志の強さが感じられる。そして、威厳に満ちた音楽世界が広がることとなっている。
そのうえで、充分に輝かしくもある。生気に溢れてもいる。そう、決して鈍重な演奏になっている訳ではないのであります。音楽がうねりにうねっている。そして、実に熱くて、ドラマティックでもある。
ある意味、フランクの交響曲が持っている性格を、如実に表現し切っている演奏であると言えるのではないでしょうか。

壮麗で、かつ、華麗で輝かしい大建造物を仰ぎ見るかのような演奏。しかも、誠にホットでもある。
いやはや、なんとも立派で見事な、そして、頗る魅力的な演奏であります。