オイストラフ&ハチャトゥリアン&モスクワ放送響によるハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲を聴いて
オイストラフ&ハチャトゥリアン&モスクワ放送響によるハチャトゥリアンのヴァイオリン協奏曲(1965年録音)を聴いてみました。
作品も、演奏も、何とも煽情的で刺激的なものであります。そして、鮮烈を極めている。音楽が、そこらじゅうで火花を散らしている。更に言えば、野趣に溢れている。
しかも、頗る官能的であります。それはもう、艶めかしいほどに。そのうえで、情緒たっぷりでもある。
この曲が持っているエキゾティックで妖艶な性格に対して、オイストラフのヴァイオリンには艶美な中にも剛毅さがあり、ハチャトゥリアンの指揮には壮絶なまでの激情が備わっていて、それらが三位一体となった音楽が生き生きと鳴り響いている。めくるめく音楽世界が広がっている。そして、誠に鋭敏であり(オイストラフのヴァイオリンが、その要素を増幅してくれている)、濃密で、骨太で、情熱的で、強靭で、力強くもある。凄絶な演奏だとも言いたい。
なんとインパクトの強い音楽なのでしょう。そして、なんと蠱惑的な音楽なのでありましょう。
聴いていて、脳みそが蕩けてしまいそう!!