ルービンシュタインによるショパンのワルツ集を聴いて
ルービンシュタインによるショパンの≪ワルツ集≫全14曲(1963年録音)を聴いてみました。
華麗で煌びやかな演奏であります。何と言いましょうか、「華」のある演奏であります。
そのうえで、豪壮で、風格豊かでもある。それでいて、堅苦しかったり、気取っていたり、といったところは微塵も感じられず、聴く者に微笑みかけるような親しみのある音楽が鳴り響いている。更に言えば、音楽があちこちで弾んでいる。「円舞曲」に相応しく、音楽があちこちでクルクルと回っている。
そんなこんなによって、聴いていて、スカッとした気分になってきます。
全編を通じて言えること、それは、実に彩り鮮やかな演奏が繰り広げられているということ。それはもう、万華鏡のような、移ろいゆく華やかが感じられる。そして、壮健で、前向きで、ひたむきさが感じられもする。
実に力強くて、壮麗な音楽世界が広がっています。奏でられてゆく音楽から、スケールの大きさが感じられる。大きな起伏が感じられもする。
その一方で、短調のナンバーでは、ショパン特有の憂いも充分。と言いつつも、過度にしんみりとしない。そのうえで、なんとも言えない暖かみがある。
そして、繰り返しになりますが、親しみのある演奏となっている。
難しいこと抜きで、この曲集の魅力を存分に味わうことのできる、なんとも素晴らしい演奏であります。