リヒテル&コンドラシン&ロンドン響によるリストのピアノ協奏曲第1,2番を聴いて

リヒテル&コンドラシン&ロンドン響によるリストのピアノ協奏曲第1,2番(1961年録音)を聴いてみました。
旧ソ連のピアニスト(厳密には、ウクライナの生まれ)、リヒテル(1915-1997)が、「鉄のカーテン」の向うから西側に姿を現してから間もない時期の、リヒテル46歳のときの記録。
その演奏はと言いますと、骨太で強靭で、雄弁なものとなっています。そして、逞しい生命力に溢れている。これらは、リヒテルにもコンドラシンにも当てはまりましょう。
全編を通じて、音楽が生き生きと、ドラマティックに、かつ、しなやかに波打っている。音楽が存分にうねってもいる。
しかも、スリリングであり、かつ、華麗でありながらも、単に外面的な効果を狙うといったような演奏にはなっておらずに、揺るぎない安定感を備えた音楽が奏で上げられています。決然とした態度が貫かれている。そんなふうにも言えそう。
もっと言えば、ここでのリヒテルによる演奏は、豪壮で逞しく、ケレン味が全くなく、そのうえで、ロマンティックな雰囲気も十分なものとなっている。テクニックのキレ具合などは、唖然とするばかり。そういった様に対し、「鬼神」が憑依したかのような演奏だと言いたい。
そんなこんなによって、この2曲に求められているであろう内容が余すところなく表現し尽されていると言えるのではないでしょうか。胸のすく演奏となってもいる。
この2曲の代表的な音盤の一つと称されることの多い1枚でありますが、そのよう世評が納得のできる、なんとも見事な、そして、充実度の極めて高い演奏であります。






