ポリーニによるストラヴィンスキーの≪ペトルーシュカからの3楽章≫とプロコフィエフのピアノソナタ第7番を聴いて

ポリーニによるストラヴィンスキーの≪ペトルーシュカからの3楽章≫とプロコフィエフのピアノソナタ第7番(1971年録音)を聴いてみました。
プロコフィエフのピアノソナタ第7番は、「戦争三部作」の中の1曲であり、かつ、プロコフィエフによるピアノソナタの中でも演奏されることの最も多い作品だと言えましょう。

さて、ここでのポリーニによる演奏と言いますと、それはもう、キレッキレなものであります。そして、硬質で、かつ、結晶度の高いピアノ演奏が繰り広げられている。
更には、とてもピアノ1台で奏でられている音楽だとは思えないほどに、雄弁で多彩で変化に富んだ演奏になっているとも言いたい。
とにかく、ここでのポリーによる演奏は、なんとも鮮やかなものとなっていて、明晰な演奏が繰り広げられています。テクニックは冴え渡り、演奏全体が切れ味の鋭いものとなっている。ダイナミックで、エネルギッシュでもある。リズムにも切れが備わっている。運動性に優れていて、とても力強い。そこからは、ある種の凄惨さが滲み出ているとも言いたい。そのうえで、頗る色彩豊かでもある。
そんなこんなもあり、全てにおいて、目の覚めるような鮮やかさを持っている音楽が奏で上げられているのであります。聴く者を興奮させずにおかない音楽になっているとも言いたい。

誠にホットな演奏だと言えそうなのですが、過度に熱中しないクールさを備えてもいる。そう、音楽を客観的に捉えたような演奏にもなっているのです。そのために、音楽のフォルムが崩れるようなことは一切なく、凛とした音楽が鳴り響くこととなっている。
これはもう、ピアノ演奏の極致を行っている演奏だと言っても言い過ぎではないでしょう。
研ぎ澄まされた感性に裏打ちされた、緻密で凄絶で、透徹し切っている演奏。これはもう、唖然とするほどに見事な、そして、誠に魅力的な演奏であります。