ヨッフム&ロンドン響によるベートーヴェンの交響曲第7番を聴いてみました

ヨッフム&ロンドン響によるベートーヴェンの交響曲第7番(1977年録音)を聴いてみました。

ヨッフムは、ベートーヴェンの交響曲全集を3回制作しています。1つ目は、モノラル期からステレオ期にかけて、1952-61年に制作したベルリン・フィルとバイエルン放送響を振り分けたもの、2つ目は1967-70年にコンセルトヘボウ管と制作したもの、そして、3つ目が、この演奏も含まれているロンドン響と制作したもの。

さて、ここでのベートーヴェンの7番の演奏についてであります。
やや遅めのテンポで、しっかりと歩みを進めるベートーヴェン演奏となっています。全てのリピートを敢行しているとは言え、演奏時間は約45分を要している。重心は低め。全編を通じて、揺るぎない安定感がある。
しかしながら、決して重苦しくはなっている訳ではありません。威圧的でもありません。清涼感や親しみやすさを感じさせてくれる。この辺りは、ヨッフムの人柄の現れなのでありましょう。誠実さが滲み出ている演奏であるとも言いたい。
そのうえで、作品自体が持っているエネルギーの放出は充分。推進力にも過不足がない。足腰の強さのようなものが感じられもする(特に、最終楽章において)。この作品ならではの輝かしさや弾むような快活さも、誇張されない範囲でシッカリと備わっている。

ちょっと地味な感じは否めませんが、実に立派で、魅力的な演奏となっています。
聴けば聴くほどに味が出てくるような演奏。そんなふうに言えるのではないでしょうか。

それにしても、このジャケット、インパクトありますよね。結構、気に入ってます。