ミュンシュ&パリ管によるオネゲルの交響曲第2番≪弦楽とトランペットのための交響曲≫を聴いて

ミュンシュ&パリ管によるオネゲルの交響曲第2番≪弦楽とトランペットのための交響曲≫(1967年12月録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

パリ管は、パリ音楽院管を発展的に解消して設立されており、ミュンシュを初代の音楽監督に迎えて1967年11月にお披露目演奏会を開いています。このオネゲルは、その翌月に録音されたもの。
なお、ミュンシュはパリ管の音楽監督に就任したちょうど1年後、1968年11月に77歳でこの世を去っていますが、死の直前まで、精力的な演奏活動を繰り広げていました。

さて、ここでの演奏はと言いますと、鮮烈であり、かつ、ダイナミックなものとなっています。熱気に溢れている。骨太で、逞しい生命力の宿ってもいる。この辺りは、ミュンシュの面目躍如たるところだと言えましょう。
音楽はグイグイと前進されてゆく。と言いつつも、力任せに弾き飛ばされるようなことは皆無。実にシリアスで切実な音楽が奏で上げられています。凝縮度が高くもある。更には、厳粛な音楽が鳴り響いているとも言えそう。そういった演奏ぶりは、この作品の性格に、誠に相応しい。
エネルギッシュであり、かつ、毅然としている演奏。とても頑健でもある。そして、ズシリとした手応えを持っている演奏となっている。
そのようなミュンシュの音楽づくりに、パリ管の艶やかな響きが加わることによって、感覚的な美しさを引き立ててくれることとなっています。

作品の素晴らしさと、ミュンシュ&パリ管のコンビの魅力を堪能することのできる、素敵な素敵な演奏であります。