クレンペラー&フィルハーモニア管によるシューマンの交響曲第4番を聴いて

クレンペラー&フィルハーモニア管によるシューマンの交響曲第4番(1960年録音)を聴いてみました。

なんと風格豊かな演奏でありましょうか。
どっしりと構えた演奏ぶりで、安定感たっぷり。音楽全体が、充実を極めています。気宇が大きくもある。
と言いつつも、晩年のクレンペラーの演奏にしばしば見られる、悠然としたテンポで押し通してゆく演奏とは一線を画している。やや速めのテンポが採られていて、覇気に満ちていて、燦然たる輝かしさが備わっている。力感に溢れていて、推進力が豊かでもある。そのことによって、この曲が持っている「熱狂」が充分に感じられる演奏となっています。ロマンティシズムの迸りにも不足が無い。こういった点が、シューマンの音楽には、誠に相応しいと言えましょう。
(クレンペラーは、1950年代の前半辺りまでは、速めのテンポを基調としながらキビキビとしていて覇気に満ちた演奏を繰り広げることが多かった。この演奏では、その面影が窺えます。)

聴き応え十分な、素晴らしい演奏であります。