ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハの≪クリスマス・オラトリオ≫を聴いて
ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハの≪クリスマス・オラトリオ≫(1987年録音)を聴いてみました。
バッハの音楽は、実に堅固なものだと言えましょう。そのために、場合によっては「厳格で堅苦しい」という印象を与えてしまうかもしれません。
しかしながら、この演奏からは、堅苦しさなんて微塵も感じられません。躍動感に溢れていて、伸びやかで、明朗な演奏となっています。人懐っこいと言ってもいいかもしれません。更には、多彩にして、輝かしい。適度に劇的でもある。愉悦感に満ちてもいる。
しかも、ダブついたところが微塵もなく、キリっとしていて、清冽な雰囲気に包まれている。
そのうえで、クリスマスという行事に対する祝祭的な華やかさが存分に備わっています。大袈裟にならない範囲で壮麗でもある。晴れやかで澄み切った気分へと誘ってくれもする。そして、聴いていて気持ちが暖かくなる。
全6部、2時間20分が、誠に短く感じられました。ウキウキワクワクの連続。
心が弾んでくる、なんとも素敵な≪クリスマス・オラトリオ≫であります。