バーンスタイン＆コロンビア響によるガーシュインの≪ラプソディ･イン･ブルー≫を聴いて
バーンスタイン＆コロンビア響によるガーシュインの≪ラプソディー･イン･ブルー≫（1959年録音）を聴いてみました。
ピアノソロもバーンスタインが受け持っての、弾き振り演奏であります。
ここでの演奏、それはもう、実にノリノリなもの。活力に溢れていて、音楽が弾け飛んでいます。エネルギッシュで、ドラマティック。そして、パリッとした感覚に彩られていて、明快な演奏となっている。音楽全体が、豊かに、かつ自然に息づいている。見晴らしの開けている、晴れやかで、痛快な演奏であるとも言えそう。
そのような演奏ぶりが、この時期のバーンスタインの魅力を存分に伝えてくれていると言えましょう。
そんな中で、真ん中あたりでのセンチメンタルな雰囲気に包まれている箇所では、音楽を切々と歌わせていて、情感タップリに奏で上げてゆく様は、まさに、堂に入っている。
ピアノがまた、粒がクッキリとしていて、こちらも明快そのもの。そのうえで、真ん中ちょっと手前あたりでの長いモノローグは、気宇が大きくて、起伏に富んだ弾きっぷりを披露してくれていて、耳を奪われる。
この作品の魅力と、バーンスタインの魅力とを堪能することのできる、なんとも素敵な演奏であります。