ケンペ&ウィーン・フィルのよるワーグナーの管弦楽曲集を聴いて

ケンペ&ウィーン・フィルのよるワーグナーの管弦楽曲集(1958年録音)を聴いてみました。
収められているのは、下記の3曲。
≪トリスタンとイゾルデ≫前奏曲と愛の死
≪ローエングリン≫第1幕への前奏曲
≪パルシファル≫前奏曲と聖金曜日の音楽
どこまでも澄み切った音楽が奏で上げられています。ここで採り上げられている作品は、急速かつ大音量で驀進するといった音楽ではないため、余計にそのことが強く感じられる。
そのうえで、まずもって言えること、それは、ケンペらしい誠実な演奏ぶりが示されている、ということ。暖かみを帯びた音楽が鳴り響いています。滋味に溢れている。まろやかでもある。感性豊かな音楽となってもいる。そして、不純物の一切含まれてない、ピュアな美しさを湛えている。エレガントでもある。
更には、息遣いが深く、かつ、豊か。それ故だと言えるのでしょうが、聴き手を包み込むような演奏となっている。大袈裟な表現は微塵も見られないのですが、風格豊かでもある。秀麗な音楽となっているとも言えそう。そして、土台のしっかりとした構築感の高い音楽が鳴り響くこととなっている。
そこに加えられることとなるウィーン・フィルのまろやかにして艶やかな美音が、この演奏の魅力を一段と増してくれています。音楽に膨らみをもたらしてくれてもいる。
全く威圧的ではない、包容力豊かで、聴き手を幸福感で満たしてくれるワーグナー演奏。そして、心に沁み渡ってくるような演奏となってもいる。
なんとも素敵な演奏であります。





