ミンツ&アバド&シカゴ響によるメンデルスゾーンとブルッフのヴァイオリン協奏曲を聴いて

ミンツ&アバド&シカゴ響によるメンデルスゾーンとブルッフのヴァイオリン協奏曲(1980年録音)を聴いてみました。ブルッフは、有名な第1番であります。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
美音家のヴァイオリニストとして名を馳せたミンツ。ここでも、その艶やかな美しい音色をタップリと敷き詰めてくれています。しかも、作品がロマン派の作曲家によるヴァイオリン協奏曲の中での代表的な2作品であるということもあり、耽美的な響きと音楽づくりが作品の世界にピッタリ。
更には、瑞々しい感性に裏付けられた演奏だとも言え、ニュアンス豊かで、かつ、闊達で、感受性に富んだ演奏ぶりとなっている。その点もまた、ここでの2つの作品に相応しい。
特筆すべきは、耽美的でありつつも、音楽のフォルムが崩れておらず、凛とした演奏となっているところ。むしろ、頑健とも言えそうな構えをしている。頑健だという点については、特にブルッフでの演奏において顕著であります。
それでいて、しなやかで、優美さも感じさせてくれるところが、何とも魅力的。柔に傾いてはいるものの、剛柔のバランスの取れている独奏ぶりだと言えましょう。
アバドの指揮もまた、しなやかにして堅固。きっちりとした音楽づくりでありつつ、生気を帯びています。そのうえで、フレキシビリティのあるサポートとなっており、アバドの合わせ物での卓抜した技量が、ここでも明瞭に示されている。
この両曲の音楽世界を堪能できる演奏。更には、ヴァイオリンを聴く醍醐味に溢れてもいる。
しかも、甘美にして、思いのほか気骨でもある音楽が奏でられている、そんな素敵な演奏であります。






