プレヴィン&ピッツバーグ響によるオッフェンバックの≪パリの喜び≫を聴いて

プレヴィン&ピッツバーグ響によるオッフェンバックの≪パリの喜び≫(1982年録音)を聴いてみました。
≪パリの喜び≫は、オッフェンバックが作曲した作品からメロディを抜粋しながらロザンタールが編曲したバレエ音楽。至るところで音楽が弾けていて、かつ、瀟洒な雰囲気に溢れている、実に楽しい作品であります。
そのような音楽を、プレヴィンは篤実に、そして端正に奏で上げてくれています。大袈裟な表現は皆無。作品自身に愉悦感を滲み出してもらおう、といったような演奏ぶりだと言えそう。
そのうえで、この作品ならではのオシャレな雰囲気に包まれている。しかも、ウェットではなく、カラッと乾いていて清々しい。
この、ウェットではないというところは、ここでのプレヴィンの演奏の大きな
特徴であるように思われます。あまり粘らず、情緒に溺れず、颯爽と音楽を進めている。そして、明快な演奏ぶりが示されている。リズミックで、音楽が存分に弾んでいる。
しかも、例えば、第13曲の”Allegro vivace. Misterioso”などでは、頗るシンフォニックな音楽が奏で上げられている。そのギアチェンジの鮮やかさは、実に見事なもの。
更に言えば、全編を通じて、なんとも品の良い音楽が鳴り響いている。軽薄なものになったり、ドンチャン騒ぎに堕したり、といったようなことは微塵もない。
純音楽的な美しさを湛えている演奏。そんなふうに言えましょう。そのうえで、この作品のキモとも言えそうな「聴いていてウットリしてくる」といったところも十分。
このチャーミングな作品の魅力をジックリと味わうことのできる演奏。そして、奥床しさや懐の深さのようなものも感じられる演奏。そんな、素敵な演奏であります。





