プレートル&フランス国立管によるルーセルの≪バッカスとアリアーヌ≫全曲と≪蜘蛛の饗宴≫組曲を聴いて

プレートル&フランス国立管によるルーセルの2曲のバレエ音楽、≪バッカスとアリアーヌ≫全曲と≪蜘蛛の饗宴≫組曲(1984年録音)を聴いてみました。
プレートルは熱くて逞しい筆致による演奏を旨とする指揮者だと言えましょうが、このルーセルでも剛直で熱血的な演奏が展開されています。音に「厚み」のようなものも感じられる。そう、骨太な演奏なのであります。しかも、バレエ音楽としてのリズムの切れも申し分ない。運動性に富んでいて、音楽が存分に弾んでいる。
更に言えば、或る種の「過激さ」や「凶暴さ」のようなものも感じられる。とても強靭であり、鮮烈な音楽となっているのであります。それは、ルーセルの音楽が本来的に持っている性格と合致するものだと言えましょう。活力に溢れ、推進力に満ちた音楽が鳴り響いてもいる。
こういったことは、儚げな雰囲気を湛えた作品だとも言えそうな≪蜘蛛の饗宴≫についても当てはまる。そのために、≪蜘蛛の饗宴≫においても、とても克明な音楽が鳴り響くこととなっています。
そのうえで、両曲ともに、色彩豊かな音楽が奏で上げられている。その色合いは濃厚で、かつ、煌びやか。ギラギラとしているとも言えそうで、頗る華美なものとなっている。
とは言いながらも、決して下品な演奏になっている訳ではありません。フランス的な薫りのようなものもシッカリと備わっています。そう、十分にエレガントな音楽が響き渡っている。そして、健康的なようで、妖艶でもある。この辺りにつきましては、フランス国立管の体質に依るところも大きいのではないでしょうか。
いずれにしましても、これは、ルーセルの傑作バレエ音楽の魅力を存分に味わうことのできる、素敵な演奏であります。
なお、ジャケットの絵は淡い色調になっていますが、演奏は厚塗りによる描写。そんなふうにも言えるように思えます。





