コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブラームスの交響曲第1番を聴いて

コンヴィチュニー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブラームスの交響曲第1番(1962年録音)を聴いてみました。

コンヴィチュニー(1901-1962)の亡くなる1ヶ月ほど前に録音された、この演奏。やや遅めのテンポを採りながら、力まずに、ゆとりを持って作品を響かせてゆく、といった演奏となっています。そのために、雄渾な演奏だな、といった印象を抱くことはない。燃え滾るようなロマンティシズムが漂ってくる、といったこともない。例えば、最終楽章においても、聴き手を煽るようなところは微塵も感じられない。
更には、コンヴィチュニーによる演奏においてしばしば見受けられる、無骨な音楽が鳴り響く、といったようなこともなく、ある種の洗練味が感じられる。猪突猛進系ではなく、落ち着き払った演奏が展開されているのであります。そして、品格の高さが感じられる。
とは言うものの、決しておっとりとした演奏になっている訳ではありません。音楽が、タップリと、そして充実感を持って鳴り響いている。重厚に過ぎる演奏になっているということはないものの、ジックリと腰を落とした音楽づくりによって、充分にズシリとした手応えを備えたものとなってもいる。
そのうえで、このコンビに対してよく使われる言葉であろう「古色蒼然」とした雰囲気が漂ってくる。先ほど「洗練味」という言葉を使いましたが、それは都会的な洗練ではなく、鄙びた洗練なのだ、とも言いたくなります。

味わい深くて、情趣深い演奏。或いは、典雅な雰囲気を宿しつつも、堂々としているブラームス演奏だとも言えそう。
話題に上ることの多くない演奏だと思われますが、独自の魅力を備えている、そして、聴き応えの十分な、素敵な演奏であります。