パレー&デトロイト管によるフランス音楽集(サン=サーンスの≪死の舞踏≫ 他)を聴いて

パレー&デトロイト管によるフランス音楽集より、下記の3曲(1959,58年録音)を聴いてみました。
サン=サーンス ≪死の舞踏≫
ベルリオーズ ≪ローマの謝肉祭≫
ラロ ≪イスの王様≫序曲

冒頭の≪死の舞踏≫から、いかにもパレーらしい、輪郭線が明瞭な、明快な演奏が展開されています。音楽全体がパキッとシャキッとしている。そして、剛毅な音楽が奏で上げられている。頗るエネルギッシュな演奏が繰り広げてもいる。
とは言うものの、決して乾いた演奏にはなっている訳ではなく、しなやかで温かみのある音楽になっているのが凄いところ。更に言えば、極めて客観的な演奏ぶりが示されていつつも、何とも言えない詩情や芳香が滲み出ている演奏となっている。この点についても、パレーによる演奏の多くから感じられることであり、不思議でならないところであります。いわゆる「エスプリ」と呼べるような、独特の洒落っ気が漂ってくる演奏になっているとも言いたい。
そのうえで、≪死の舞踏≫に相応しい、怪奇な雰囲気にも不足はない。しかも、その様相が、おどろおどろしく示されるのではなく、明朗快活な形で描かれるところが、パレーならではなところ。
続く≪ローマの謝肉祭≫でも、この作品に相応しい、生気に溢れていて、賑々しい音楽が奏で上げられています。その様は、なんとも実直なもの。開放感に満ちてもいる。そして、畳み掛けるようにして奏で上げてゆく演奏ぶりは、痛快そのもの。
また、≪イスの王様≫序曲では、オペラの序曲ならではの、ドラマティックにして、緊迫感のある演奏が繰り広げられています。前半部分などは、厳粛な雰囲気が漂ってもいる。そのうえで、パレーだからこその明快な音楽づくりによって、胸のすくような音楽が奏で上げられることとなっている。特に、終結部での怒涛の勢いで作品を結ぶ様は、見事としか言いようがない。

パレーの魅力があちらこちらに刻まれている、なんとも素敵なフランス音楽集であります。