サヴァール&ル・コンセール・デ・ナシオンによるヘンデルの≪王宮の花火の音楽≫を聴いて

サヴァール&ル・コンセール・デ・ナシオンによるヘンデルの≪王宮の花火の音楽≫(1993年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

典雅にして、華やかな演奏が展開されています。音楽全体が嬉々としている。生気に溢れた、実に溌溂とした音楽が鳴り響いている。
そのようなこともあって、煌びやかで、明朗で、豊麗な音楽世界が広がってくる。もっと言えば、この作品に相応しい、祝祭的な雰囲気の横溢した音楽世界が広がってくる。
音楽全体が、弾みに弾んでいます。劇性に富んでいて、エネルギッシュであります。そして、愉悦感に満ちています。
と言いつつも、猥雑になったり、粗野になったり、俗っぽくなったり、といったようなことはありません。演奏からは、格調の高さが感じられる。洗練されていると言っても良いでしょう。そのうえで、朗らかで暖かくも、清々しい演奏が繰り広げられている。

澄み切った青空の広がっているような演奏。しかも、歓びに溢れた演奏が繰り広げられている。
そんなこんなのために、聴いていて、胸が弾んでくる。しかも、心が癒される音楽となってもいる。
サヴァールの音楽性の豊かさをシッカリと感じ取ることのできる、素晴らしい演奏であります。