モーツァルトの誕生日に、ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデンによる≪ジュピター≫を聴いて

今日は、モーツァルトの誕生日。この日は、極力、モーツァルトの≪ジュピター≫を聴くようにしています。ということで、今年は、ブロムシュテット&シュターツカペレ・ドレスデン(SKD)による演奏(1981年録音)で聴いてみました。

誠実に溢れていて、かつ、爽やかさに満ちている演奏であります。しかも、格調高くもある。
決して浮ついた演奏ではなく、作品に織り込まれている内容を、じっくりと、かつ、虚飾なく語り尽くしているような演奏。どっしりと構えた演奏ぶりでありつつも、重くなり過ぎるようなことは一切なく、爽快さを伴っている演奏。そしてその先に、優美で、清らかで、伸びやかで、晴れやかなモーツァルト像が出現してくる。
そのうえで、流動性や躍動感にも不足はない。目鼻立ちがクッキリとしていて、凛々しい表情をしている。適度に壮麗であって、風格豊かでもある。そのような演奏ぶりが、この作品には誠に似つかわしい。
そこに加えて、ここでもSKDの美音が、より一層魅力的なものにしてくれています。終始、キリッと引き締まっていて、清らかで、気品のある音で満たしてくれている。

≪ジュピター≫の音楽世界に安心して身を浸すことのできる演奏。しかも、実に立派で、かつ、清々しくて、美しい演奏となっている。
いやはや、なんとも素敵な演奏であります。