メータ&ロス・アンジェルス・フィルによるニールセンの≪不滅≫を聴いて
メータ&ロス・アンジェルス・フィルによるニールセンの≪不滅≫(1973年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。
豪快で、鮮烈で、しかも、明朗な演奏となっています。
実直な音楽づくりに支えられている演奏だとも言いたい。そのこともあって、見通しの良い演奏が展開されることとなっています。そう、音楽がテキパキと進められて、誠に気風が良い。目鼻立ちがクッキリとしていて、粒立ちが鮮やか。
更に言えば、伸びやかで、しなやかな演奏となっている。熱気に満ちていながら、爽快感が漂っている。開放感のある演奏だとも言えそう。しかも、とてもグラマラス。この曲ならではの壮麗さにも全く不足はない。
とにもかくにも、1970年代のメータによる演奏の特徴である、エネルギッシュでドラマティックで、ロマンティックでカラフルな音楽を掻き鳴らしてゆく、といった音楽づくりが、そこここに見出せる演奏だと言えましょう。メータの魅力が全開の演奏だとも言いたい。
そのうえで、オケのドライヴにはキレがある。第2部の後半部分へ突入する場面など、一気呵成になだれ込んでゆき、壮絶さが感じられます。しかも、全曲を通じて、オケが気持ちよく鳴っている。それはもう、痛快なほどに。第2部の後半での2人のティンパニ奏者による連打も、実に鮮やか。
全体的に、とてもネアカな演奏。そして、明快な音楽が鳴り響いている。
難しいことを言わずに「音楽を聴く歓び」を味わうことのできる、素敵な演奏であります。