ホグウッド&エンシェント室内管によるバッハの≪管弦楽組曲≫全4曲を聴いて
ホグウッド&エンシェント室内管によるバッハの≪管弦楽組曲≫全4曲(1985-88年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。
清新にして、晴朗な演奏であります。実に颯爽としている。そして、仰々しさが全くなく、誠に伸びやかな演奏となっている。
それでいて、明るい日差しの降り注いでくるような演奏でもありません。結構シックで、エレガントな雰囲気が漂っている。そのうえで、澄み切った音楽が鳴り響いているのです。この辺りがまた、独特の魅力を生んでくれていると言えましょう。
そんなこんなのうえで、愉悦感にも不足はない。音楽が、そこここで弾んでいる。そのような演奏ぶりを通じて、この曲集が持っている祝祭的な華やかさが、巧まずして現れている。
肩が凝るようなバッハ演奏ではなく、厳粛な気分が支配的になるようなこともなく、親し気な表情を湛えた音楽が鳴り響いている。そして、洗練味を帯びてもいる。
聴いていて爽やかな気持ちになり、かつ、晴れやかでウキウキとした気分に浸ることのできる演奏。
なんとも素敵な≪管弦楽組曲≫であります。