モントゥー&ロンドン響によるラヴェルの≪ダフニスとクロエ≫全曲を聴いて

モントゥー&ロンドン響によるラヴェルの≪ダフニスとクロエ≫全曲(1959年録音)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音源での鑑賞になります。

明快で、かつ、壮健な演奏であります。ダイナミックでもある。そして、とても健康的。そう、80歳を超える指揮者による演奏とは思えないほどに、矍鑠とした音楽が鳴り響いていて、誠に痛快。そうれはもう、気持ちが良いほどに。
全編を通じて、克明な筆致によって、くっきりとした輪郭線によって描かれてゆくダフクロとなっています。明晰な音楽づくりを基調としながら、明朗にして、晴れやかな雰囲気に溢れた演奏が繰り広げられてゆく。そして、エネルギッシュでもある。
そのうえで、風格豊かで雄大な演奏となっている。更には、その先から、薫り高さのようなものが漂ってくる。キリっとしていて、格調が高くもある。
それでいて、気取ったところは全くなく、暖かみのある音楽が鳴り響いている。

この作品の音楽世界に、気負わずに、ス~っと入っていける演奏。しかも、充実度が頗る高い。
素敵な素敵な演奏であります。