マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるシューベルトの≪ロザムンデ≫全曲を聴いて

マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるシューベルトの≪ロザムンデ≫全曲(1983年録音)を聴いてみました。
ソプラノ独唱は、アーメリング。
当盤は、ミュンヒンガー&ウィーン・フィル盤と並んで、≪ロザムンデ≫全曲のマイベスト。
なんとも堅実な演奏となっています。シューベルトならではの優美な抒情性と、ドイツの演奏家達による重厚な音楽づくりとが融合された演奏だとも言えそう。
それでいて、決して堅苦しい演奏になっている訳ではありません。むしろ、雅趣に富んでいる演奏だと言いたい。なるほど、やや武骨な演奏ぶりではあるのですが、柔軟性に欠けるようなことはない。弾力性を帯びていて、適度にしっとりとしており、抒情性に不足はなく、充分に愛らしくもある。夢幻的な音楽世界が出現する、といった空気感も十分。そのような演奏ぶりが、シューベルトの手による劇音楽に似つかわしい。
そのうえで、逞しい生命力に溢れた演奏となっている。派手さを狙ったところは皆無でありつつも、生彩感に富んでもいる。
更には、ゲヴァントハウス管の、重心を低く採っていて、重層的な厚みの感じられる音作りと、ややくすんでいて、しかも底光りのするような古雅な響きがまた、これまでに述べてきた性格を色濃くしていると言えそう。その演奏ぶりは、充実度が高く、安定感抜群なものとなっています。しかも、ここで聴くことのできる音作りや響きは、実に魅力的でもある。
そこに、アーメリングによる可憐にして情感豊かな歌が添えられるという贅沢。その歌いぶりは、暖かみを湛えていて、かつ、格調高くもある。そして、頗るキュートで魅惑的なものとなっています。
手応え十分な、そして、このチャーミングこの上ない劇音楽作品の魅力を存分に味わうことのできる、頗る素敵な演奏であります。





