ロジェストヴェンスキー&BBC響によるヤナーチェクの≪タラス・ブーリバ≫を聴いて

ロジェストヴェンスキー&BBC響によるヤナーチェクの≪タラス・ブーリバ≫(1981年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
ロジェストヴェンスキーは1978-81年にBBC響のシェフを務めていましたが、その最終年のBBCプロムスでの演奏会をライヴ録音したものになります。
さて、ここでの演奏はと言いますと、頗るエネルギッシュなものとなっています。逞しい生目力を宿した音楽が鳴り響いている。
そして、とても鮮烈でもある。輪郭線がクッキリとしていて、克明な音楽が奏で上げられてもいる。
とは言いましても、粗暴な演奏になっている訳ではありません。例えば、第2曲目などでは、意識的に平静を保とう、といったような姿勢が見て取れる。そのうえで、音楽に緊迫感がもたらされていて、かつ、必要に応じながら存分に煽ってゆく。そんなこんなによって、ドッシリと構えた演奏ぶりに中から、大きな起伏の採られている音楽が鳴り響くこととなっている。そう、ダイナミクスの幅も、表情の幅も、とても広いものとなっているのであります。また、エンディングでは、決して大袈裟にならない範囲で大きな昂揚感がもたらされてもいる。
更には、全体を通じて、真摯な演奏が貫かれています。それ故に、この作品のシリアスな性格が、巧まずしてクローズアップされることとなっている。
そのようなロジェストヴェンスキーの音楽づくりに対して、BBC響は、献身的に応えてくれていると言えましょう。精緻なアンサンブルを展開していて、粒立ちが鮮やかで、かつ、ニュートラルな色合いを湛えた音楽を奏で上げてくれています。
ロジェストヴェンスキー&BBC響のコンビの充実ぶりを窺うことができる、聴き応え十分なヤナーチェク演奏であります。





