バルビローリ&フィルハーモニア管によるエルガーの交響曲第1番を聴いて

バルビローリ&フィルハーモニア管によるエルガーの交響曲第1番(1962年録音)を聴いてみました。
バルビローリならではの、雄渾かつ抒情味に溢れた演奏となっています。それでいて、熱量が高くて、情熱的でもある。
更に言えば、威厳に満ちていて、威風堂々としていて、気品漂う音楽世界が広がっている。それはまさに、ノビルメンテ(高貴で、上品で、気高い様子)な演奏ぶりだと言いたい。伸びやかで生気に富んでいて、かつ、風格豊かな演奏となっている。
また、情感豊かで、滋味深くもある。例えば、第3楽章では、詩情に溢れた演奏が繰り広げられています。哀切感がありつつも、それでいて平安な音楽が鳴り響いているとも言えそう。もっと言えば、とても敬虔な音楽が鳴り響いている。
そのうえで、全編の多くの場面において、熱気に溢れた音楽が奏で上げられているのであります。逞しい生命力を宿した演奏が展開されている。押しつけがましさは全く感じられないのですが、とても頑健でもある。更には、音楽をタップリと歌い上げていて、輝かしくもある。
ここには、エルガーへの敬愛の情の深さが刻まれていると言えましょう。奥行きの深い演奏だとも言いたい。
50分を超す、長編の交響曲。やや冗長な作品だとも言えそうなのですが、そのようなことを感じさせない、充実した演奏が繰り広げられています。
紳士が奏でるエルガー。そんなふうにも言えるのではないでしょうか。決して大袈裟にならない毅然とした演奏態度と、そこから立ち込めてくる気品が、なんとも素晴らしい。
そんなこんなによって、この作品の音楽世界を堪能することのできる、なんとも素晴らしい演奏となっています。





