メータ&ニューヨーク・フィル(NYP)によるストラヴィンスキーの≪春の祭典≫を聴いて
メータ&ニューヨーク・フィル(NYP)によるストラヴィンスキーの≪春の祭典≫(1977年録音)を聴いてみました。
メータ&NYPのコンビニとって最初の録音となったのが当盤。このとき、メータ41歳でありました。
なんとも鮮烈な演奏であります。至る所で音楽が吠えまくっている。それはもう、実にパワフルであり、爆発力のようなものすら感じられる。そして、とてもゴージャス。メータらしいグラマラスな演奏が繰り広げられています。
更に言えば、凄まじいまでの音の「圧」を体いっぱいで受ける感があり、聴いていて圧倒される。
それでいて、洗練味が感じられもする。そう、決してグロテスクではないのです。暴力的でもない。原始的な音楽というよりも、都会的な音楽となっている。機能美に溢れてもいる。
そのような音楽づくりを支えているニューヨーク・フィルがまた、抜群に巧い。パワーも充分。響きが色彩感に満ちていて、豊麗でもある。
聴き応え十分な、そして、誠に痛快なハルサイだと言えましょう。