メータ&イスラエル・フィルによるバルトークの≪管弦楽のための協奏曲≫と≪ハンガリーの風景≫を聴いて

メータ&イスラエル・フィルによるバルトークの≪管弦楽のための協奏曲≫と≪ハンガリーの風景(ハンガリアン・スケッチ)≫(1975年録音)を聴いてみました。
1970年代のメータらしい、骨太で覇気に満ちた演奏が繰り広げられています。
ゴージャスでグラマラス。ドラマティックでスリリング。或る種のセンチメンタリズムも備えている(特に≪ハンガリーの風景≫において)。
そのうえで、明快であり、頗る健やかな演奏が展開されている。見通しが良くもある。熱さのある演奏でありながら、爽快でもある。
なるほど、バルトークの音楽が身に纏っているであろうローカル性や土俗性は薄いと言えましょう。それよりも、もっとインターナショナルな音楽が鳴り響くこととなっています。このことは、より土俗性の高い≪ハンガリーの風景≫においても然り。しかしながら、それもまたバルトークの音楽が備えている性格の一面なのだと言えましょう。であるからこそ、全世界の音楽愛好家から愛され続けている。
このような演奏をもシッカリと受け止めてくれるバルトークの音楽。しかも、繰り広げられている演奏がまた、なんとも面白いのであります。聴いていてワクワクしてくるような音楽が鳴り響いている。そして、血が湧き立ち、体じゅうの神経が躍ってくるような音楽となっている。←「血湧き肉躍る」は、バルトークの音楽においては重要な要素の一つであると考えております。
音楽の多様性について考えさせられる、興味深い演奏。そんなふうに言えましょう。
メータは、オケコンをベルリン・フィルとも再録音しており、そちらのほうが広く親しまれていると思われ、このイスラエル・フィル盤は忘れ去られている1枚と言えるかもしれませんが、多くの音楽愛好家に聴いてもらいたい演奏であります。
(とりわけ、1970年代のメータを愛しておられる方には。)





