ベロフ&マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第3,5番を聴いて

ベロフ&マズア&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管(LGO)によるプロコフィエフのピアノ協奏曲第3,5番(1974年録音)を聴いてみました。

1970年代の前半に、ベロフ&マズア&LGOはプロコフィエフのピアノ協奏曲全集を制作していますが、当盤はその中の1枚。
それにしましても、マズアによるプロコフィエフ、とても珍しいのではないでしょうか。しかも、ゲヴァントハウス時代に。
(1991年にニューヨーク・フィルの音楽監督に就任すると、プロコフィエフを含めたロシア物や東欧物も積極的に録音するようになりました。)

意外な取り合わせだと言えそうなのですが、ここでのマズアの指揮ぶりは、バーバリズムに溢れていて、プロコフィエフの音楽に相応しい。いい意味でノリノリ。カラフルでもある。立体的でもある。そして、躍動感に溢れていて、スリリングでもある。切れ味も抜群。そう、その演奏ぶりもまた、とても意外なものとなっているのであります。
そこへもってきて、LGOの響きがまた実に色彩的。「燻し銀」などという表現からは程遠い輝かしい音たちが、そこここで飛翔している。
しかも、このコンビならではの「羽目を外さない堅実な音楽づくり」も感じられる。

そのような見事なバックアップに支えられたベロフによるピアノは、キレキレの感覚で縦横無尽に駆け巡ってゆくかのような、生彩を極めた演奏を繰り広げてくれています。更には、第3番の冒頭部分などは、頗るダイナミックでもある。
切れ味鋭いテクニックを駆使しながら、キリリと引き締まったフォルムでもって、抒情性に満ちた表情と野蛮な雰囲気とを絶妙のバランスで提示してゆく。しかも、力感豊かに。なおかつ、音色も、眩いほどに輝かしく、そして美しい。

穴場的な存在だと言えるかもしれない音盤ではありますが、プロコフィエフのピアノ協奏曲の魅力を存分に味わうことのできる、なんとも素敵な演奏となっています。
多くの音楽愛好家に聴いてもらいたい、素晴らしい演奏であります。