モントゥー&ボストン響によるシューマンの≪ライン≫を聴いて

モントゥー&ボストン響によるシューマンの≪ライン≫(1955年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。

モントゥー(1875-1964)が80歳になる年の録音ではありますが、その演奏内容はと言いますと、実に若々しくて覇気が漲っている。明朗にして、晴れやかでもある。そのような演奏ぶりが、この作品には誠に相応しい。
しかも、とても豪快でもある。やや速めのテンポを基調にしているということも相まって、竹を割ったようなストレートな音楽づくりが為されていると言えそう。なんとも実直な音楽が鳴り響いています。
とは言いながらも、決して粗暴な演奏になっている訳ではありません。歌心に溢れていて、流麗にして、伸びやかな演奏が展開されている。
更には、慈愛のようなものが滲み出ている。そう、とても味わい深い音楽となっているのであります。この点については、とりわけ、緩徐楽章となる第4楽章において顕著でありますが、その他の楽章からも十分に窺える。この辺りは、モントゥーの刻んできた年輪ゆえ、と言うところなのでありましょう。
しかも、やや速めのテンポが採られていながらも、セカセカとしたところが微塵もない。むしろ、風格豊かな音楽が奏で上げられていて、壮麗でもある。この辺りもまた、この作品の性格に相応しい。
そのような演奏ぶりが、わざとらしさを全く感じさせずに、自然体な形で実現されている。

モントゥーの魅力と、この作品の魅力の双方に、肩肘張らずに触れることのできる、なんとも素敵な演奏であります。