カラヤン&ベルリン・フィルによるR=コルサコフの≪シェエラザード≫を聴いて

カラヤン&ベルリン・フィルによるR=コルサコフの≪シェエラザード≫(1967年録音)を聴いてみました。
ヴァイオリン独奏は、この時期のベルリン・フィルの名物コンマスだったシュヴァルベ。
音楽絵巻とも評されるこの作品に相応しい、豪華絢爛たる演奏であります。艶美な演奏だとも言えましょう。
豪壮でありつつ、滑らか。ゴージャスでありカラフル。それも、極彩色で彩られたケバケバしい色彩をしているといった感じではなく、或いは、カラッとした明るさを備えた彩りの鮮やかさが示されているのでもなく、ドイツ的な重厚感を持ったトーンをしていると言えば良いのでしょうか、落ち着きのある色彩の豊かさが感じられます。
しかも、実にドラマティックで、語り口が巧みでもある。そして、音楽が至る所で存分にうねっている。
録音当時、カラヤンは59歳。まさに、壮年期を迎えていたカラヤンによる、気力の充実した演奏だと言いたい。
更には、ベルリン・フィルのアンサンブル能力の高さや、個々のソロの巧さや、トゥッティでの力強さや響きの分厚さや、音色の艶やかさやも、なんとも見事。
ヴァイオリン独奏のシュヴァルベも、艶やかで美しいソロを奏でてくれていて、これがまた実に魅惑的なのであります。しかも、雄弁にして、格調高くもある。
意外にもカラヤンが録音した唯一の≪シェエラザード≫。しかしながら、カラヤン&ベルリン・フィルが≪シェエラザード≫を採り上げれば、如何に魅力的な音楽を鳴り響かせてくれるのかを明確に表してくれている、素晴らしい演奏となっている。
このコンビの魅力と、この作品の魅力の双方を嚙み締めることのできる、頗る素敵な演奏であります。





