メンゲルベルク&コンセルトヘボウ管によるマーラーの交響曲第4番を聴いて
メンゲルベルク&コンセルトヘボウ管によるマーラーの交響曲第4番(1939年ライヴ)を聴いてみました。
NML(ナクソス・ミュージック・ライブラリー)に収蔵されている音盤での鑑賞になります。
これは、メンゲルベルクが遺した、マーラーの交響曲の中で、唯一、作品の全楽章が録音されたものとなります。
さて、その印象でありますが、頗るロマンティックな演奏となっています。
テンポの伸縮が、至る所でなされている。予想もしないところで、急ブレーキをかけたり、アクセルを踏んだりしているのであります。しかも、思わせぶりタップリに。
そして、時に粘りっ気を伴いながら、切々と、かつ、濃密に歌い抜いてゆく。更には、様々な箇所で見栄を切っていったりもする。
そのようなこともあって、表情が濃厚なものとなり、むせぶようなロマンティシズムが漂っている音楽となっています。感情面でも、外観面でも、大きな起伏が採られている演奏だとも言える。
ただ、相手がマーラーであるだけに、このようなアプローチが嫌みに感じられません。少なくとも、私には。もっとも、この辺りをどう受け止めるのかは、聴き手によって様々なのでありましょうが。
なんとも表情の豊かな演奏。妖しくて、艶めかしくて、夢幻的でもある。粘着性が強い演奏となってもいる。ある意味、大時代がかった演奏だとも言えそう。
実にユニークな演奏であります。好悪の分かれる演奏でもありましょう。
それでは、私はどうなのか。このようなマーラー、「あり」だと思いますし、大いに惹かれます。更に言えば、作品も、このようなメンゲルベルクの演奏をシッカリと受け止めてくれているように、私には思えます。