シューリヒト&シュトゥットガルト放送響によるベートーヴェンの交響曲第7番を聴いて

シューリヒト&シュトゥットガルト放送響によるベートーヴェンの交響曲第7番(1952年ライヴ)を聴いてみました。

キリっと引き締まった演奏が繰り広げられています。更に言えば、媚びを売るようなところが微塵も窺えない、高潔な音楽が鳴り響いている。凝縮度が頗る高くもある。
しかも、豊麗でもある、例えば、第1楽章の序奏部、弦楽器群が16分音符で音階を駆け上がる裏で管楽器によって鳴り響いて長い音によるハーモニーを強奏させることによって、音楽に厚みを生んでいる。また、主部に入った部分などは、力強くも艶やかな音楽が奏で上げられている。
そう、全編を通じて、活力に満ちており、かつ、運動性の高い音楽が鳴り響いているのであります。逞しい生命力を宿してもいる。そのことによって、ズシリとした手応えのある演奏になっていると言いたい。この辺りは、この作品の性格に誠に相応しい。
とは言うものの、力づくであったり、コケ脅しであったり、開放的になっていたり、といったことはありません。むしろ、峻厳であり、かつ、ストイックな雰囲気に包まれていると言いたい。
更には、芳醇な味わいと湛えてもいる。この点については、第2楽章において特に顕著だと言えましょう。まろやかにして、薫り高い音楽が鳴り響いています。また、この楽章では、切々たる歌が繰り広げられてもいて、心に深く染み入ってくる。
躍動感を湛えている点においては、第3楽章においても然り。しかも、この楽章では、しばしばティンパニが雷鳴の如く響き渡り、衝撃を与えるとともに、音楽を引き締めてくれている。
その先にやって来る最終楽章では、思いのほかテンポを速めに採るようなことをしていません。そのために、音楽が驀進するようなことはなく、ジックリと腰を据えた音楽となっている。とは言うものの、音楽に秘められているエネルギーたるや、甚大なものがある。そのような音楽づくりが、シューリヒトならではの、高潔にして逞しい音楽を生み出しているのだと言いたい。そして、著しくアッチェレランドを掛けてゆくといったことはないものの、エンディングに向かってグングンと熱気を増していき、壮麗にして昂揚感の高いクライマックスを築くこととなっている。

これはもう、シューリヒトならではのベートーヴェンの7番だと言えましょう。しかも、とても奥深くて、かつ、頑健な演奏となっている。
シューリヒトの妙技を堪能することのできる、素晴らしい演奏であります。