スメタナ弦楽四重奏団によるスメタナの弦楽四重奏曲第1番≪わが生涯より≫(デンオン盤・1976年録音)を聴いて

スメタナ弦楽四重奏団によるスメタナの弦楽四重奏曲第1番≪わが生涯より≫(1976年録音)を聴いてみました。
スメタナ弦楽四重奏団は、同曲を3回、スタジオ録音していますが、当盤はその最後のものとなります。

さて、ここでの演奏はと言いますと、緊密で、凝縮度の高い、そして充実感いっぱいなものとなっています。
謹厳で、緻密で、一点一画をもおろそかにしない、といった音楽づくりが施されているとも言いたい。それでいて、とても伸びやかな演奏となっている。派手さは全く感じられないのですが、充分に輝かしくて、そして、とても逞しい。そう、生命力の漲っている演奏となっているのであります。
しかも、民族色豊かと言いますか、ノスタルジックな雰囲気に満ちています。とは言うものの、土臭さのようなものは感じられず、むしろ、洗練味の強い演奏が展開されている。頗る周到な演奏ぶりだとも言いたい。そのうえで、躍動感溢れる生き生きとした表情が、ごく自然に滲み出ている。例えば、舞踏楽章となる第2楽章などでは、嬉々とした表情を湛えた音楽が鳴り響いている。また、緩徐楽章である第3楽章では、むせび泣くようにして、切々と歌い抜かれている。その表情の、なんと切実なことでありましょう。
そんなこんなによって、頗る共感性の高い音楽が鳴り響くこととなっているのであります。

かねてより、当盤をこの作品のマイベスト盤と看做していたのですが、久しぶりに聴き直してみて、その思いを更に強くしたものでした。まさに、この作品の魅力を堪能することのできる演奏となっている。
いやはや、なんとも素晴らしい演奏であります。