スヴェトラーノフ&ソビエト国立響によるチャイコフスキーの≪フランチェスカ・ダ・リミニ≫と≪テンペスト≫を聴いて

スヴェトラーノフ&ソビエト国立響によるチャイコフスキーの≪フランチェスカ・ダ・リミニ≫と≪テンペスト≫(1970年録音)を聴いてみました。

推進力が強く、ガンガンと驀進するような演奏が繰り広げられています。その一方で、随所で旋律を切々と歌い込んでいて、むせぶようなロマンティシズムにも不足はない。そのような、誠に率直な演奏が展開されている。真っ向勝負を挑んでいる演奏だとも言えるのではないでしょうか。そして、とても煽情的な音楽が奏で上げられることとなっている。
そのようなこともあって、実に振幅の幅が大きい。エネルギッシュにして、ドラマティックな音楽が鳴り響いています。
「やはり、チャイコフスキーはこうでなくっちゃ!!」と思わせる、魅力的な演奏だと言えましょう。交響曲ではなく管弦楽曲であれば尚更のこと、このような演奏ぶりは歓迎であります。
更には、感傷的に流されるようなことは殆どありません。むしろ、頗る決然とした演奏ぶりになっていると言いたい。そこからは、媚びを売るような素振りは微塵も感じられない。そして、迷いのない音楽づくりが為されている。
しかも、そういった演奏ぶりに真実味が籠っている。なるほど、少なからず強引なところがあるかもしれませんが、大袈裟な音楽に聞こえてこないのであります。と言うよりも、作品との一体化の強い演奏だと言いたい。冒頭の方でも書きましたように、とても率直な音楽づくりが為されている。であるが故に、強く惹き付けられる演奏となっているでしょう。

チャイコフスキーの管弦楽曲を聴く醍醐味を存分に味わうことのできる演奏であります。
もっと言えば、愉快、痛快、豪快、爽快な、素敵なチャイコフスキー演奏。そんなふうに言いたくなる演奏であります。